あややがAORぽくなる

Naked Songs (DVD付)

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 確信したのは、あややはもうアイドルではなく、歌手だということ。アコギ+ホーンアレンジによって従来とは全く異なる形を与えられた過去の名曲の数々がそれを物語っております。アルバム全体がAORぽいなぁ、という感想を抱きました。このアルバムでは、あやや本人がやりたいことがかなり明確に打ち出されてます。アルバム自体のつくりは平板でメリハリが薄く、まだまだだなぁ、という部分もありますが、一曲一曲を見れば伴奏と歌唱の出来上がりはなかなかで、歌手あややのこの先を期待させるものでした。個人的には、やっぱり「オシャレ!」は白眉だなぁ。
 あと、ヲタ離れが急速に進む理由も、ここにあるような気がしました。あややがなりたいものは歌手であり、アイドルではない。でもファンは、いつまでも完全無欠のアイドル松浦亜弥を見ていたい(私もやっぱりもっとアイドルあややを観たいという欲求がありますもん)。そこに、決定的に埋められない溝があるように感じました。でも、私は、じっくり腰をすえて応援したいなあ。あややだっていつまでもアイドルじゃいられない。年を重ねても歌手を続けたいと思うのなら、どこかでこういう脱皮の瞬間は必要なのは、わかるから。
 今回のアルバムは、あややの進化の過程。もっともっと先を見せてください。私はその進化をもっと見たいと思うのです。